喪主は葬儀を取り仕切る代表者!
葬儀において喪主(もしゅ)という言葉を聞いたことがあると思います。簡単にいえば喪主とは葬儀を行う上で遺族の中の代表者であり、さまざまな役割があったりします。
こちらでは喪主の決め方や役割・マナーあわせて注意点などについて解説したいと思います。
喪主の決め方について
喪主を取り決めるタイミングは亡くなられてご遺体を葬儀会館や自宅に安置し、打ち合わせの際に決めることがほとんどです。遺族のみで少人数の葬儀であれば喪主を決めない(代表者的な感じ)ケースもありますが、家族葬であっても喪主を決定することが一般的です。
喪主の決め方には地域によっての違いはありますが、何パターンかありますので基本的な考え方をご紹介します。
故人の配偶者が喪主をする
1番ポピュラーな決め方です。父が亡くなればその妻が、母が亡くなればその夫が喪主をします。昔ながらの考えで跡継ぎであるその長男が喪主をするということもありましたが、昨今では風習や文化意識の薄れもあり、配偶者が喪主をすることが多くなっています。
遺族の中から喪主を決める
父や母が高齢である場合、配偶者が喪主を行うことは困難なケースがあります。例えば70代・80代・90代ともなれば足腰が弱って来たり、体調不良を起こしてしまうケースもあります。遺族からみて心配だなと感じるのであれば遺族の中から選ぶことがよいといえます。地域や人それぞれの考えがありますが優先順位があったりします。
- 故人の長男
- 故人の次男・三男
- 長女
- 次女・三女
となり、子供・兄妹の中で男性が優先で上から順番になります。女性の場合であれば既婚者であればその夫が務めても問題ありませんし、女姉妹で喪主をしてもかまいません。
地域性や考え方によっては、女性がとついでいるのだから夫が行うべきだという考えもあったりします。しかし世代交代とともに男性優位な考え方も薄れています。 |
子供が先立った場合は?
小さいお子様や若い子供が亡くなられた場合は、その両親どちらかで喪主をするのが一般的です。 |
例えば両親が70代~90代であり、故人も大人で家庭を持っている場合はその配偶者が喪主を行います。もし片親である親が亡くなってしまった場合、子供が未成年であればおじさん・おばさんにあたる故人の兄弟が行っても問題ありません。 |
故人が指定している者が喪主を務める
故人が生前中の遺言により喪主を指定しているケースがある場合はその者が務めます。少ないケースではありますが、故人のおもいを優先した方がよいといえます。
身寄りがない場合は?
身寄りがなく施設に入っている場合は施設の代表者が喪主を務めたり、親戚とは縁を切っており血縁関係者がどうしても見つからない場合はその友人や知人が務めても問題ありません。自治体や後見人制度の関係もあったりしますが喪主がいなくても葬儀は問題無く行えます。
喪主の役割やマナーについて
葬儀中は何かあれば喪主様が行動するケースが多かったりします。葬儀社も確認事項があれば喪主様へ声をかえるのが基本です。昨今では家族葬が主流で昔の葬儀ほどバタバタしないのですが、それでも役割や仕事がありますのでご紹介します。
死亡診断書・死亡届の受け取りと確認
お亡くなりになられたら病院や施設より死亡診断書・死亡届を受け取ります。担当の者から説明を受け確認を行います。役所への手続きは葬儀社が行ってくれるケースが多いのですが、死亡届への記入は喪主やその家族などが行います。
葬儀全般の取り決め
葬儀全般についての決定や判断は喪主が行います。必要であれば遺族や親戚と相談し取り決めても問題ありません。
葬儀社の決定・連絡
葬儀社が決まっていれば速やかに連絡をします。決まっていない場合はインターネットなどで探すか親戚や友人に聞いて探すケースが多いです。しかし、亡くなられてから葬儀社を探すとなるとバタバタしますし、理想の葬儀社が見つからないケースが多かったりします。
事前に気になる葬儀社に相談や見積もりなどをし、決めておくことがよいといえます。
打ち合わせ
【日時の決定】 葬儀の日時を具体的に取り決めます。日取りは亡くなった日や翌日にお通夜式をし、その次の日に葬儀告別式を行うことが一般的です。しかし友引であったりすると、その日を避ける場合もありますので遺族とよく相談して決めましょう |
【プラン内容・葬儀費用の決定】 祭壇の内容やご予算に応じてプランを決めます。事前に見積もりなどをしていればスムーズなのですが、そうでない場合時間を要す場面でもあります。不明な点や追加費用などが発生する事項などはしっかりと聞いておきましょう。 |
【形式を決める】 仏式で行うか神式やキリスト教の形式で行うかを取り決めます。檀那寺があれば仏式で行いますが、神道やキリスト教であればその宗旨で葬儀を行います。信仰している宗教形式で葬儀を行うことが一般的です。無宗教で行う場合は決まった儀式を行わず、献花や焼香を行い故人とのお別れを行います。 |
檀那寺があれば連絡を!
宗教者への連絡が必要ですが、真夜中であれば電話に出ないケースがありますので時間を改めたほうがよいかもしれません。葬儀の日時を伝え、お坊さんの都合が悪ければ日程をずらします。〇〇宗とは決まっているけど寺院が決まっていないというケースであれば葬儀社が寺院紹介してくれますので相談しましょう。
訃報の連絡
亡くなったこと、葬儀の日時を参列予定者にお知らせします。近親者のみで葬儀を行う場合であっても訃報の知らせだけはしておいたほうがよいかもしれません。その場合は自宅などにお参りに行きたいという方もいますので葬儀後に対応が必要です。友人や会社関係に訃報を知らせる場合はその代表者に連絡網を回してもらうことがよいでしょう。
お通夜式・葬儀告別式・食事での挨拶
遺族のみの葬儀ではあらたまった挨拶を省略するケースが多いのですが、他の親戚や自治会の方・友人知人が参列する場合は喪主様が挨拶を行うことが一般的です。しかし、体調面やメンタル面で挨拶を行うことが難しいと予想される場合は葬儀社に代行を頼むのも一つの方法です。
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弔問者・会葬者への対応
お葬式が始まる前に参列者が喪主様へお悔やみの言葉や挨拶をされることがありますので対応が必要です。改まりすぎる感じではなく、故人の生前のお話を行うことが多いです。
家族葬では昔のように親戚や自治会の方が受付を行うようなケースもあまり無かったりしますので、その場合は香典などの受け取りも喪主様が行ったりします。しかし昨今では香典辞退が一般的になっています。
葬儀費用の支払い
施主(せしゅ)という言葉もあり、施主は葬儀費用を支払う者をさします。しかし喪主=施主ということが多く、昨今では施主という言葉はあまり使用しません。例えば高齢の親が喪主を務め、年金暮らしのため子供が葬儀費用を負担する場合は子供が施主となります。基本的には喪主もしくは遺族が支払いをします。
葬儀の流れを把握しておきましょう。
予定表を渡してくれる葬儀社もありますが、予定表がない場合は葬儀の流れをメモしておくことがよいといえます。参列者に〇〇はどうなっているの?何時からなの?という質問にもすぐ答えることができます。葬儀社に質問すればその都度教えてはくれますが、葬儀の流れをある程度把握しておいたほうがスムーズであり、気持ちに余裕が持てます。
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葬儀後の手続き
葬儀が終わりましたらさまざまな手続きが必要です。年金や保険・電話・クレジットカードの解約手続きなど他にまだまだたくさんあったり、世帯主の変更も必要です。
一人で全部しようと思わないこと!
喪主様の役割はたくさんあり、大切な人が亡くなりただでさえ心身の負担があるのに全部一人で行うことは困難であったりします。身内や親戚・信頼できる友人などに手伝ってもらうことも一つの方法です。
困った時はお互い様という考えで、頼れる人がいれば手伝ってもらい、その人が困っていれば助けてあげるということがよいのではと思います。
喪主の服装マナーは?
昨今では男女ともに準喪服を着用するケースがほとんどです。男性がモーニングコートを着ているのは余程大きな葬儀以外では見かけませんし、女性もブラックフォーマルが大半です。特に男性では着物を着ている方を見かけませんが、女性の場合であっても見る機会が大幅に減少しています。
いざ亡くなられてから「AOKIさん」や「洋服の青山さん」で購入する方や、喪服を葬儀社からレンタルしたりケースが多かったりします。
喪主の決め方や役割のまとめ
こちらでは喪主の決め方や役割について解説しました。喪主は故人の配偶者やその子供が務め、子供では男性から優先に決めることが多いということがお分かりいただけたかと存じます。しかし、若すぎる場合は他の親戚が喪主を務めても問題ありません。
喪主の役割は家族葬といえど意外と多かったりするのですが、周りの遺族が手伝ってあげたり、他の親戚・友人などに助けてもらうことも大切です。
事前に喪主を誰にするか?役割や葬儀の流れなどをある程度知っておけば、葬儀の際は余裕を持って臨めるのですが実際はそうでないケースが多かったりします。
公開日 2023年12月1日|最終更新日 2023年12月1日